30歳からジャズに熱中したらどうなるのか実験室

いい大人になってからジャズギターを本気で愛してしまった痛い男のブログ

カテゴリ: 読書感想文


学問に王道なしとはいうものの、効率的な勉強、非効率的な勉強、というのは確実にあると考えているため、このブログでもしばしばそんなことをメモしていますが、脳科学者 茂木健一郎さんの書籍を読み漁っていたことがありました。

ずっと下書きに入りっぱなしだったので、ここで整理しておきたいと思います。
今改めてそのメモを読むと、やっぱりミュージシャンにとっても興味深い情報が沢山あります。

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「芸術の神様が降りてくる瞬間」

この本は、茂木さんが各界の一流の方と対談するという形式。そのお相手の一人が、ジャズピアニスト山下洋輔さん!茂木さんは、脳科学的に即興演奏というものに強い興味を持っておられたようです。
 茂木 われわれ脳の研究をやっている人間にとって、即興って、まさに人間の創造性の本質なんです。(中略)最も研ぎ澄まされた考え方においては、記憶が変形して出てくるだろうと思ってるんですよ。ゼロからできるっていうよりも、過去の体験のアーカイブが側頭葉にあって、そこからいろいろ引き出されてくるんだろうと思っていうんですね。前頭葉がいろいろリクエストを出して、側頭葉からそれに合ったものを出してくる。だから、想像とは前頭葉と側頭葉の掛け算みたいなものだろうと思ってるんですよ。
 山下(大輔)さんの経験からいうと、過去に自分が学んできて知っている音楽と、即興で弾くものとの関係ってどんなイメージですか?

 山下 はっきりとはわかりませんけど、でも全然知らないものが出てくるっていうふうには思いませんね。 
これはジャズをそれなりにやってきている方なら、なんとなく理解できる内容ではないでしょうか。即興演奏ゼロから生まれているわけではないと。それをこう脳科学的に説明してもらうとまたおもしろいですね。
茂木 即興演奏ができるためには過去のアーカイブのほうも充実してないといけないんだけど、それだけではない。こういうのを引き出したいっていう欲望もかなり充実していないと、いいものができないとわれわれは思っているんです。山下さん、欲望は強そうですよね。

山下  そう言われると、なんとなくわかります。もう何かをそこに表したい、伝えたいって思うと抑えられない。
こういうことをしたい!という欲望も大事だと。
アウェーでの戦いは、プレイヤーを鍛える。厳しい試合を経験した数だけ、強靭な心身を持つことができるのである。
家でばっか練習してても上手くはならないってことですね。。。改めて自戒!


「芸術脳」

佐藤 趣味ってまだ自分をわすれてないんですよ。無我夢中じゃない。もっとこう、むしゃぶりつくように接するものなんです。そのためならお金も地位も人間関係まで捨てる!ぐらいな気持ちのもの。
 佐藤さんって誰だっけな??すみません!
これだけの定義から行くと、僕にとって音楽はもはや趣味ではありませんw


「あるとき脳は羽ばたく」
いま、吹いている風をつかまえること。
私の無意識は、いま何に関心を抱いているのか。そのような無意識との対話を通して、次第に脳が解きほぐされ、全体としてのバランスが向上して行くように感じる。
これは、「今何を練習するか?」という日々の選択にもヒントとなるでしょうか。これは小沼ようすけさんも本能的に実践させているようなことのように思います。小沼さんも、その時々の自分の「旬」というものを大切にしていると語っていたからです。

論文を読む際にどれくらい内容を把握できたかを判断する目安にしていることがある。「面白さの閾値」を超えたかどうかということ。自分にとって、その論文のここがおもしろいと思えるような瞬間が来たら、その論文が自分のものになったと考えることにしている。
 これなんでメモしていたんだっけな?ミュージシャンにとっては「論文」は「曲」に言いかえられると思ったのかな。


「アウェー脳を磨け!」

つらいと感じるとき、脳は成長している
 これは注意したいのは、「同じことを何万回も連続で繰り返していてツラたん」という状態は、ここで言う「つらいと感じるとき」には当てはまらないのではないかと思っています。それよりも、フレーズが浮かんでこないけど、なんか搾り出そうとしている時とか、一度覚えたのにい思い出せないことを思い出そうと努力すること、そういうことだと思います。

大事なのは他の人よりも上手にできるかよりも、心底それが好きかどうか
 励みになります。涙

あまり興味のない分野でも聴いてみる。偶然の邂逅がホームの何倍も用意されている。
 好きなアーテイスト、ジャンルばかり聴くよりも、いろんなものに触れることが重要なんですね。

1日20%は課題以外のことをやる
 グーグルもこれを採用していますよね。だから最近僕がポップスに取り組んでいるのも決して無駄ではないと信じています。

本業以外のことは上手に手を抜く。脳の回路は奪い合いだから。
 思い当たる人がいますw あ、そういえばイチローも「妥協しないのは野球くらいですよ」と語っていたことを思い出しました。

失敗は一回目こそすごいインパクトだが、だんだん刺激が弱まってくる。
 だからどんどん外に出て演奏せい!ってことですね。


というわけで、明日は久々にセッションに出かけてまいります。
あー、がんばろ.....!恥かいてきます!


Amazonで予約していたら、いつの間にか届いていました。時が経つのは早い...

ジャズギタリストの皆さん、もう買いましたか?
僕は特に中身を見ずに、即刻ポチってましたが、パラパラめくってみるとおいしそうすぎてよだれが.....。

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単なる機材紹介雑誌ではありません!!

一流ジャズギタリストたちの使う機材が、ギター本体、アンプ、エフェクターはもちろん、シールド、弦、ピックに至るまで書いてあります!!!涙 そこには、YouTuberでもあられる、我らが(?)宇田大志さんも!

それから、メンテナンスの仕方、アンプのセッティング、エフェクターなんて初心者が見落としがちで、目立たないけど困っている部分で、こういうサポートはありがたすぎる!!!

「ソリッドギターに太い弦のセッティングを適用するのは可能?」なんていう、ググってもなかなか答えの見つからなさそうなコラムまであります😂


さらに、連動でこんなたくさんの動画もupされています!!
https://rittor-music.co.jp/s/jazzguitargear1/

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一日中読んでいたいですね。
もう、こんなエモすぎる雑誌を作るのはヤメてほしい!!
普段やりたことがたくさんあって、忙しくて困っているのに!!



てか、vol.1ってことは。。。。。
困るよ〜。




これは読んで本当に良かった...!!

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この本から学んだことを、思い出しながら羅列してみます。

  • マルチタスクが評価される風潮があるが、マルチタスクは存在しない。あるのは細切れのタスクスイッチであり、極めて効率が悪い。なぜなら脳は同時に複数にたくさんのことに集中できるようにできていないから。
  • 一つのことに高い集中力を持って取り組むことでこそ偉大な仕事ができる
  • スマホを見ながら人と話す、スマホを見ながらご飯を食べる、全てよくない。目の前の人、食事に集中するべき。
  • 人と話す時間が惜しいと思うなら、相手に事前に、相手に割ける時間が制限されていること、その代わり全力で聞くと相手に伝えよう。
  • 既に自動化されている行動なら同時並行はオッケー。例えば、歩きながら人と話す、歯を磨きながら動画を見るetc
  • 人間は新しく入って来る情報に気を取られやすい
  • 現代は環境的にシングルタスクが難しい時代
  • シングルタスク中に違うタスクが思い浮かぶことは悪ではない。メモしておいて後で取り組み、今はそのことは一旦忘れるようにしよう。

この本でよかったのは、シングルタスクの重要性なのですが、特にこの最後の項目です。今までは集中しよう集中しようと思ってつい別のことを考えてしまっていることに気づいた時、「しまった。やっぱダメだ。自分は集中力がないな。」と思ってしまっていたのですが、ダメではないのです。思いついてもいいけど、それはメモっておくなり何なりして一旦スルーすればいいとこの本は教えてくれます。最近瞑想の勉強もしていますが、瞑想も似ていて、途中で雑念が来ること自体は、自分を責めることではないらしいのです。雑念が来てもそれに気づいて、意識をまた自分の呼吸に戻せればいいと。むしろ、その意識を戻す時にこそ、前頭葉が鍛えられるようです。これなら自分を責めることなく、「さ、また今のタスクに戻ろう」と思えればいいと考えています。これが習慣づけば、自分の集中力をきっと自ずとアップしていくだろうと期待しています。

 
きっと僕のヒーロー、小沼ようすけさんなんかも、色々見聞きしていると、すんごいシングルタスク人間だと思われます。きっと超集中の世界を知っているのでしょう。


今更ながら、この雑誌を読んだ。

JAZZ LIFE 2016年12月号。

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小沼さんのJam Ka Deuxの特集記事。
特に気になった箇所をメモしておきたい。

以前は自分の中から出てくるものに、まだまだ自信のない自分がいたのですが、今は自分が信じることができるようになったことは大きいと思います。
→まじかよ笑

長い間、自分の中で「海のイメージを出そう」という意識が強く働いていましたが、今は無意識に演奏すればするほど自然と「海」を表現できるようになってきたようです。 
→意識的なことがやっているうちに無意識になっていくというのがすごくおもしろいが、それ以前に「自分にはなんか表現したいイメージがあるのか?」と思い知らされた。なんかただ「かっこいいフレーズ」とか。それくらいしかなかった。

やっと最近、スタンダードを弾くことが楽しくなってきました。以前は「スタンダードは自分の中に手の届かない音楽」という思いもあって、それらを弾くときと、自分の音楽を弾くときに明らかに違いがありましたが、様々な経験を経てきた現在は、自分の中からスタンダードが生まれるような新鮮さを感じるんです。そういった時点に辿り着くのが早いミュージシャンもたくさんいますが、僕はようやくスタート地点に立てた気がしています。  
→まじかよ笑。おもしろいなー。



という、それだけのエントリです。



ウェスの本をなんとなく図書館で借りてみた。

あまり本気で読むつもりはなかったのだけど、どんどん次が読みたくなる本、読んでよかった本だった。

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ウェスの経歴だけでなく、演奏スタイルや音楽的センス、人柄に至るまで結構詳細にわたって書いてあった。しかも出典も明記されている。ジャズファン、ウェスファンにとっては、非常に貴重な資料ではなかろうか。Wikipedia日本版の情報ではわからなかったことがたくさん書いてあったし、貴重な写真もたくさんあるし。

すごくいい本だったので、メモをしておきます。


この本でわかったこと
  • ウェスモンゴメリーの人柄は、温厚、控えめ、素直、家族第一。ジャズミュージシャンにして、麻薬、酒、女遊びとは無縁だったとか。チェーンスモーカーではあったみたいだけれど。
  • ウェスは、後年A&Mレーベルに移籍してからはコマーシャル路線に傾いていって成功を収めた。評論家やジャズファンからは残念がられたが、ウェスとしては家族を養うための選択だった。
  • ウェスといえば、なんといってもオクターブ奏法、親指奏法だが、その他にもシングルノートソロ、コードワークも素晴らしかった。
  • ウェスがギターを始めたのは、19〜20歳とは世間で言われているが、4弦ギター(テナーギター)を12歳以前から弾いていた。
  • 音楽的正規教育を受けておらず、独学。楽譜も読めないが、非常に耳がよかった。
  • 正規教育がなかったからこそ、常識をぶちやぶる演奏を習得した。例えば、オクターブ奏法の可能性を大きく広げた。
  • チャーリー・クリスチャンが、ベニー・グッドマンと共演している「ソロ・フライト」に衝撃を受け、ギターを買ってから8ヶ月間ほどでチャーリー・クリスチャンのレコードを完コピした。
  • 他のモンゴメリー兄弟もミュージシャンであり、よく一緒にプレイしていた。
  • ウェスの注目していたジャズミュージシャンは、ジョン・コルトレーンやマイルスデイビス、ソニー・ロリンズなど、ホーンプレイヤーが多かった。
  • ウェスの注目していたギタリストは、まず、バーニー・ケッセル。彼のフィーリング、コード概念、常にいろんなことをすること、ホーンフレーズ。そして、タル・ファーロウ。ドライブするところ、コードの概念。そして、ジミー・レイニー。スムーズさ、間違った音を弾かず、シフトなタッチ。
  • 所有していたギターは、L5 CES、L4、175D、125Dなどなど。
  • L5に使用していた弦は、ギブソンのハイファイ・フラットワウンドで、014, 018, 025, 035, 045, 058(3弦以上が巻き弦)
  • リバーブとトレモロのコンビネーションを気に入っていた。使用していたスタンデール、フェンダーのアンプに標準装備されている。
  • 巷のギターアンプには音的にあまり満足していなかった。

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以下、個人的に印象に残った箇所を引用させていただきます。


「何事も人生と関わりがあるんだ。ミュージシャンによっては、音楽をやることがきわめて個人的なものだと感じているために、それだけに集中しようとして、他の世界とは関わりを持とうとしない。僕はそこまで音楽に携わろうとは思わない。そのために他のことに対する興味を失いたくないし、僕にとって音楽はいまだに趣味なんだ」

耳が痛い。。。。
バーニー・ケッセル、ウェスを語る
「人間的には根本的にどっしりと地に根ざし、誠実だっていうことだろう。…中略…控え過ぎず、出過ぎず、利己的過ぎず、ただひたすら温かかった。ギターを道具として使っていたと思う。つまり彼の内部に音楽があるわけで…中略… だってただただ自分の内なる音楽を音にして出したかったんだ。

チャーリー・クリスチャンのレコードを本当によく聴いたよ。僕にもできるはずだって思った。やろうって決心したんだ。6-8ヶ月経つと、僕はレコードのソロを全部弾けるようになっていた。そしてクラブでそれをその通り弾くという仕事を始めたんだ。

世界中のどの美術館へ行っても、巨匠のコピーを忍耐強くやっている向上心に燃えた画家を見つけることが出来るだろう。同様に、若いミュージシャンは自分の好きなミュージシャンのレコードを聴いてテクニックと自己表現の方法を吸収するものだ。たとえば私が演奏を始めた頃、チャーリークリスチャンのパートをレコードで一生懸命聴いたものだ。

やっぱ最初はとことんコピーをするのがいいのかなぁ。

クレッセンド誌の1965年7月号に掲載されたギター座談会で、ウェスは映画を見に行くといつでもサウンドトラックのコード進行がわかったと語っている。

すんごい耳。。。
 
「プレイヤーは自分で問題を解決していきながら、自信を築き上げていくものなんだ。能力の限界があったとしても気にすることはない。親指で弾くことと、オクターブ奏法も、そうした限界があったからこそ生まれたものなんだ。僕たちには限界があるだろうけど、それはそれとして認めた上でそれを超えた意味のあるものを作りあげなくちゃいけない。僕がやってることは技術的には正しくないかもしれないけど、それでも音楽はちゃんと生まれてくる。僕は僕のことを伝えるために演奏しなくちゃならないからさ」

これに近いことを、メンタリストDaiGo氏も仰っていました。具体例として、TEDにも登壇されている、フィル・ハンセンというアーティストを挙げています。彼は、元々超精緻な点描画を書いていたそうですが、ある日から手の震えが止まらなくなり、嘆いていたたけれど、逆にその手の震えをそのままに絵を描いたら成功した、と。つまり制約条件は時として才能を開花されるものになると。

ジャック・デュアルテ
彼はフィンガーボードの仕組みについて関心がなかった。しかし、どこを弾けばどんな音が出るのかはよく知っていた。


非常に自己批判的。演奏についてずっとに苦労し続け、とりわけ自分の演奏について不安がっていた。

1966年10月号 ギタープレイヤー誌
几帳面に、忍耐強く、一生懸命に、彼はギターに精を出した。その複雑さに屈服させられそうになったり、自分の頭の中にあるハーモニックパターンに腕がついてこないことに苛立ちながら。彼はギターの入った楽器編成なら、地元のバンドであれ、ツアーでやってきたバンドであれ必ず見に行った。そしてギタリストの手だけを集中的に観察した。彼は8ヶ月間一生懸命に練習した。自分の買ったものをムダにしまいと心に決めて。

ソロ・フライト(ベニーグッドマンとの共演)が凄い、今でも僕は聴いているんだ。


僕はミュージシャンになろうなんてまったく考えたこともなかった。

音楽は趣味だ、とも。

僕はギターのテクニック面に関してそんなに気にならない。フィーリングを大切にしたいんだ。


何か別のことを始めようとする前に、やるからには完全に仕上げなきゃとか、すごく時間がかかるだろうななんて思ってしまう

本書の中にも「天才「才能」と並ぶが、確かにある程度はそうなのかもしれないが、ちょっと違和感があって、それは、キンコン西野さんがブログで、才能で難なく成功しちゃったという人を見たことがない。皆圧倒的努力をしてきている、的なことを書いておられたから。そして、このウェスのコメントからわかるのはウェスほどの達人でも、何でもかんでも簡単に習得できるわけではないということ。

で、こんな貴重な写真も!!ウェスのアンプ(と同じ型)!
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これ、図書館さん、ぜひ大事に所蔵しておいてほしい。
それか買いたいなぁ。


  

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