30歳からジャズに熱中したらどうなるのか実験室

いい大人になってからジャズギターを本気で愛してしまった痛い男のブログ

2017年08月


À 81 ans, une grand-mère rockeuse fait sensation à Singapour
「81歳のロックおばあちゃんがシンガポールでセンセーションを巻き起こす」


仏紙LE FIGARO.frより

Mum's-KK-debut-concert



当ブログは、30歳から本気でジャズギターに挑戦するイタイ男の日記であり、「始めるのが遅かったか...?」という拭いがたい、ある種、後悔にも似た感情をひた隠しにするも、残念ながら深層心理、いや割ともっと浅い心理層にある人間のブログです。

上のタイトルの記事に飛びついたことは言うまでもありません。

記事の内容はこんな感じ。
  • 81歳の新人ロックスターが誕生した
  • それはシンガポールのおばあちゃんギタリストMary Ho
  • 今年シンガポールの建国記念日に演奏する
  • 「こんな大舞台に出演するのは初めて。めっちゃ緊張してます。」
  • 7人の孫がいる
  • ずっと楽器をやることが夢で。60歳でギターを始めた
  • 最初はアコギで教則本を見ながら練習していた
  • カルロスサンタナのSamba Pa Tiを聴いて、先生につくことに決めた。先生にはこんな高齢の方を教えるのは初めてだと言われた
  • BBキングとサンタナのファン
  • 20本のギターを所有している
  • 自身のアルバムも制作
  • 慈善団体などからコンサート演奏をよく頼まれる
  • YouTubeでは、110万再生された動画もある(下の動画)


めっちゃかっこいいです。
たまに右手のポジションを確認するあたりが初心者感はありますが、演奏はエモーショナルです。こちらは2009年の動画ですから、今はもっともっと上手くなっているでしょう。


ホームページはこちら。
http://www.grandmamaryrocks.com/index.html


そういえば以前、50歳くらいで東大に受かった主婦もいて励まされたな。
あ、コレだ。
http://www.asahi.com/articles/ASJD554BTJD5UEHF00B.html


僕もがんばろう!
みなさんがんばりましょう。
 


8/5土曜、小沼ようすけさんと藤本一馬さんのギターデュオユニット、Najaのライブ@湘南T-SITE。

Najaという名前は、二人を繋げたイベント企画会社Coyoteのオフィスだかどっかにいて、みんなに親しまれていた犬ちゃんの名前で、もう既に他界したそう。この日のMCでわかった。蛇足だけど、小沼さんのこの説明の仕方が上手くて、ストーリーテリング的に綺麗で、みんな「ああ」ってなった気がする。

Najaは2012年頃から活動していて、この日は、この7月末に1stアルバムを発売してからは初めてのライブとのこと。


18:45頃スタート。

Earth and ocean
曲中の怪しい響きのコードと、ユニゾンのキメのフレーズがとても印象的な曲。

Mirror moon
小沼さん作曲の浮遊感のある曲。小沼さんのファンキーでスピード感あるグルーヴィーな演奏も特徴的だけど、こういう側面も本当に素敵だよなぁ。

Tough road
2016年にレコーディングしたとのこと。2人の音楽的ルーツにあるロックをテーマにしているそう。小沼さんはES275で歪ませていたが、その音がこれまた綺麗で心地よくカッコよかった。こんな上品な歪みの音色があるなんて。

Coyote
先述のイベント企画会社と同名の曲。この曲も美しくて気に入りました。

For the beats
小沼さんは3回くらいパプワニューギニアを訪ねているそうだが、そこの鳥の鳴き声や民族音楽にインスピレーションを受けて作曲されたそう。藤本さんによると、インプロヴィゼーションの要素が多い曲だとか。めっちゃ楽しくていい、これも。

<Encore>
Rain forest
ギターデュオの特性として、2人の区別がつかなくなるイメージで作ったという藤本さん作曲のチューン。

というようなセットリストのミニライブでした。視界が悪かったのと、音も広がりがちなのが残念だったけど(後述)、お二人の演奏は素晴らしく、またCDをゆっくり聴き直したいなと思った。

あと、割とみなさんにはどうでもいい話かと思うのですが、小沼さんはEchizenギターにはL型のプラグを挿していたことを確認した。僕いつもI-Lのシールド持つとどっちにどっちを挿せばいいのか迷うので笑。

湘南T-SITE内の今回の会場は、オシャレではあったけど、ただそれだけだった。見づらいし、オープンな空間だからか音も広がっちゃってる感じで。なぜ最前列に一番高いイスを配置したのか、運営者のセンスを疑う...。そのせいで2列目以降視界が遮られてしまっていた。

でも湘南T-SITE自体は、やっぱ素晴らしいとこ。一日中どころか、二泊三日くらい居たいと同行の友人に冗談交じりに話したくらい。

湘南住みたい。



最近、僕は意識的に変えたことがある。

それは謙虚でありつつも、自己卑下することはやめようということ。


よくアマチュアのミュージシャンで、
「私の演奏は拙いですが...」
「お恥ずかしいですが...」
(褒められて)「いえ、僕なんてそんな...」
とか謙遜というか自己卑下的な言葉をよく聞く。


気持ちはよーくわかるし、自分もそうしていたし、まだそういうところが完全には抜けきれてない。

これらの発言の意図としては、ハードルを下げておいて、実際の演奏との落差で感動させるのもあるのかもしれないが、それよりは概ね本当に自信がないのだろう。未熟な状態でステージに上がるのが恥ずかしい、音源を聴いてもらうのが恥ずかしい。もし本人たちに問いただしたら、「別に言いたくて自己卑下的なことを言うわけじゃなくて、上手くなったらもう言わないよ!」と返ってくるかもしれない。

でも、これは「ニワトリが先か、卵が先か」の問題で、「上手くなるのが先か、発言が変わるのが先か」であって、上手くなるのが必ずしも先ではない気がする。

むしろ、こういうようなことを口にしていると上達が妨げられる気がしている。

僕がそう考える理由を整理したい。

まず自分の発した言葉で自己暗示がかからないだろうか。自分を貶めて、果たして佳い演奏ができるメンタルができるだろうか?思い込みというのは脳に結構な影響を与えるらしい。自分が数学の得意な民族だと思い込むとテストの点数が上がる。ホテルのベッドメイキングの仕事はジムでの運動と同じ効果があると言われると、運動効果が上がる。など実験結果を本で読んだことがある。

そして、「自分の演奏は大したことないですよ!」と発することは、「失敗しても大目に見てね」と予防線を張る行為であり、聴衆に許しを乞う行為であり、この癖がつくと、いつまで経っても本番までに本気で善い準備をするメンタルも育たないんじゃないか、準備段階で甘えが出る気がする。


僕の好きなミュージシャンで自己卑下する人を見たことがない。その人たちによくよく聞いてみると、今のレベルに満足せず、自分なんてまだまだだと思っているようだけど、それを無駄に表に出さないし、こちらの賞賛を結構素直に受け入れる。そんな姿をみているうちに、自己卑下という行為がダサい、みっともない、そして、もったいないと思うようになった。


だから、僕は自分の演奏が恥ずかしいし、未熟極まりないとわかりつつも、でも自分を貶める発言をしないと決めた。演奏前に弱気な発言をしない。褒めてもらえれば、「いやいやー」じゃなく、「嬉しいです」と素直に受け入れる。

自分に染み付いている無駄な自己卑下のマインドを改めたいし、自己卑下しないミュージシャンたちとユニットを組みたい。



音楽の練習は常にハゲそうなくらい悩む。

アルペジオ練習ってなんだ?という問いも一つ。

恥ずかしい話、未だに満足にアドリブソロが弾けない...。で、そのアドリブソロにはどうやらアルペジオが大事とはよく聴く言葉で、自分もしょっちゅう練習してきた気がするんだけど、どうも役に立ってる気がしなかった。

よく自分も含めてジャズ練習生が陥りがちなのが、アドリブソロの時、家で練習した5、6弦ルートからのコードトーンアルペジオをまんま弾いてしまう、もしくは覚えたポジションを取り急ぎなぞる、というやつ。

もう何年もジャズの練習をしていて未だに僕はこのレベルにいて悩んでいたのだが、色んな方のアドバイスを読んだり聞いたりして、自分でも悩みに悩んだ挙句、ようやく一つの仮説に辿り着いた。

それは、

アルペジオ練習はただの基礎練である。

ということ。

で、基礎練とは演奏にまんま使える代物ではない。ジャズ理論書The Jazz Theoryには、スケールとは英語学習におけるアルファベットであり、詩ではない的なことを書いていて、なるほどと思った。アルペジオを単に6弦ルートから順番に弾く練習をたくさんやったからって、それが直接的に即時的にアドリブソロになると思うのは安易すぎるのであろう。

じゃあこのアルペジオという基礎練は何になるとかと考えると、(ギターの場合)

  • そのコードを構成している音を一つ一つ知る(音質や質感、指板上でのポジション)
  • 運指の練習
  • メトロノームに合わせることでリズム感を養う練習
  • その中で自分でフレーズを作る練習
  • コピーしたフレーズと照らし合わせることでそのフレーズの分析がしやすくなり、さらにアルペジオの中でをどう音を紡ぐと音楽的に響くかを知る
  • 曲のコード進行に沿ってアルペジオを弾くことでその曲のコード進行を覚える練習


このように、たぶん実は目に見えにくい様々な効果があるんだと思うし、そう言われてみれば、実感もする。
例えば、僕は今、ギターの指板上で、あるコードで、どのディグリーの音がどこに配置されているか割と把握できてきている(3度とか5度とか9thとか)。これはジャズギターを始めた最初からできていたわけではもちろんない。アルペジオ練習もその一助となったと思う。
きっと基礎的な力というのは、派手さがないから認識しづらく、自己を客観視した時に改めて初めて気づくものなのかもしれない。建築詳しくないけど、建物の土台部分が目立たないのと同様に。


だから、考えを改める。

今までは、
「なんだよ、アルペジオなんてやっても全然アドリブに役立たないじゃん」

これからは、
「アルペジオは無心で取り組むことで自然と脳と体が色んなことをそこから情報を得ていると信じる」


ジャズの練習に即効性を求めない。


キーネーシス的な考えではなく、エネルゲイア的な考えで、大きな大きな山の高みを目指すものの、その長い登山道の途中も楽しもう。


「とんでもないとこに行く唯一の方法は、地道に小さい努力を積み重ねること」とイチローも確かそんなことを仰っていたし。


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